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更新日:2026.03.20
宇宙航空システム専攻 小型超音速風洞を開発しました。
超音速旅客機やロケットが音の速さよりも速い「超音速」で飛行するとき、機体のまわりには「衝撃波」と呼ばれる波が発生し、通常の旅客機などの飛行とは空気の流れの様子が大きく変わります。
このような超音速での空気の流れを理解することは、飛行機やロケットを設計するためにとても重要です。
そこで、大学3年生では「高速空気力学」という授業で超音速気流について学びますが、さらに、実際の実験を通して理解を深めるために、宇宙航空システム専攻の谷研究室では、小型の超音速風洞(SOJO Supersonic Wind Tunnel: S3WT)を開発しました。
この風洞では、タンクに貯めた高圧の空気を、「ラバールノズル」という特別な形状の流路に通すことで超音速気流を発生させます。
その気流中に飛行体を摸擬した模型を設置して超音速飛行状態を摸擬し、圧力の計測や、「シュリーレン法」と呼ばれる手法で空気の流れの観察を行うことができます。
シュリーレン法とは、空気の密度の違いによって光の進み方が変わる性質を利用した計測法で、模型のまわりで衝撃波がどのように発生しているかを映像として記録し、流れを直観的に把握することができます。
この風洞の開発には、4年生の村上曜優さんが卒業研究として取り組みました。
その結果、音速の1.6倍および1.8倍の速さ(マッハ数1.6および1.8)の超音速気流を発生させ、さまざまな形の模型のまわりの超音速気流の様子を計測することに成功しました。
この風洞は小型であり、安全性を重視した設計となっているため、少人数でも容易に実験を行うことができます。
今後は、教育や研究で活用するとともに、さらに改良を進め、より高機能な風洞を目指していく予定です。
小型超音速風洞 気流吹出口
風洞測定部への模型取付け実施状況
小型超音速風洞の全体概要
シュリーレン法撮影画像の例(マッハ数1.8、模型の先端から発生した衝撃波が黒い線として観察されています)