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更新日:2024.06.21
NHKくまろく取材班 空港キャンパスへ!
平日18時10分から放映されている情報ニュース番組「NHKくまろく」取材チームの稲塚アナウンサー、結城気象予報士一行が空港キャンパスへ来学しました。今回の取材の目的は、「悪天時の航空機の安全運航、とりわけ着陸時、を支える高度な仕組み」をわかりやすく視聴者にお知らせすることです。
悪天時でも航空機の着陸が安全かつスムーズに行える地上支援装置としてILS(Instrument Landing System,計器着陸用施設)があります。ILSは滑走路の端から電波を出すものでパイロットはこの電波をたどって着陸のために滑走路を目指します。ILSアプローチ(進入)を行うためには視程が100~550m以上である必要があり、空港の滑走路脇には3ヶ所、RVR(Runway Visual Range,滑走路視距離観測装置)という視程を正確に測る装置があります。
ILSアプローチには、3つのカテゴリー(CAT)があり、通常のILSアプローチで使われているCATⅠから、CATⅢでは着陸する最後まで滑走路等何も見えなくても自動操縦で着陸することが出来ます。CATⅠでは200フィート(60m)、CATⅡでは100フィート(30m)の高さまで降下して滑走路が視認出来た場合には着陸を行うことが出来ます。
阿蘇くまもと空港にはCATⅢの施設が完備されていますので、霧が発生し視界が悪くても航空機が着陸することが出来ます。ただし、機長と副操縦士の双方がCATⅢを行える資格を有していること、航空機側にもCATⅢを行える設備が整っている必要があります。今回はこのCATⅢ条件下の着陸を崇城のDA42 FTDにてシミュレーションを行いました。DA42 FTDにはCATⅢ運航の設備はありませんので、瓜生教官がCATⅠ~CATⅢの気象条件をキメ細かく設定し、それぞれがどのような気象条件下となっているのかを、取材チームの皆さんに体験して頂きました。
稲塚アナウンサーは自家用操縦士の資格もお持ちですので、CATⅢ条件下での着陸もほぼスムーズで操縦教官も驚いていました。
それぞれの気象条件の詳細やパイロットがどのようなことに気をつけて悪天時の運航を行っているのか、CATⅢオペレーション時の注意事項等は権藤本部長にわかりやすく解説して頂きました。稲塚アナウンサーはじめNHK取材チームは、改めて崇城の教官や施設の素晴らしさに感動されて帰社されました。